あらすじ
主人公の元農家である財前孝史は、コンビニエンスストアでアルバイトをしていたが、ある日新人の藤田香織と出会い、彼女に一目惚れする。 そんな孝史だったが、藤田は孝史にある条件を付けて、デートを受け入れた。
藤田から孝史に求められたのは、毎月一回のデート代を支払ってやりたいということだった。 年間12回のデートの代金を支払い、その代わりに藤田は孝史に一緒にいてくれた。
だが、藤田は特別な病気を抱え、真実の愛や家庭を望めないという過去を背負っていた。 ところが、ある事件が藤田を苦しめていた。 藤田が出会ったのは、彼女がその名を知らない鳥たちという団体のメンバーとともに。
感想
この小説は、人間の本質や生き方について多くの問いを出す作品である。 物語が展開する過程で、孝史が自分自身や藤田のことを理解するようになり、彼女を支えようとする姿勢が現れる。
また、ウェブサイトで公開されていたショートショートを連載した作家 山本 文緒氏が書いた作品であるだけに、文章には詩的な美しさがあり、心に残る印象的な場面が多くある。
評価
「彼女がその名を知らない鳥たち」は、主人公とヒロインの物語だけでなく、登場する様々な人物の心情をつづったストーリーである。 一つ一つのエピソードが意味を持ち、物語の中には深いテーマが控えられている。
この小説は万人受けするような、普遍的なストーリーではないかもしれないが、大人の読者にとっては魅力的な作品であると思う。 単なる恋愛小説以上の、人間の生き方を考えさせる作品であることは確かだ。
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