あらすじ
本書は、宮沢賢治の同名小説をもとに、作家・吉行淳之介が書いたエッセイ。吉行氏は、自身が中学2年生のときに読んだ『君たちはどう生きるか』に深い感銘を受け、大人になってからも何度も読み返してきたという。そんな吉行氏が、自らの人生や社会・時代について、宮沢賢治の思想と照らし合わせながら考える。
感想
本書は、エッセイという形式であるため、吉行氏自身の思考や経験が積極的に盛り込まれている。また、宮沢賢治の小説を深く掘り下げ、その思想を現代社会に照らし合わせて考える点も興味深い。
吉行氏は、本書で「自由」というテーマを重要視しており、人生における重要な価値観であると主張する。しかし、吉行氏は自由をあくまで「責任とともに」ととらえており、自由を享受するためにはその責任を果たすことが必要であるとする。このような考え方は、現代社会においても非常に重要であり、本書を読んで改めて自分自身の価値観を考えることができた。
また、本書を読み進めるうちに、宮沢賢治の小説と吉行氏のエッセイがどのようにつながっているのかがわかってきた。宮沢賢治の小説は、子供たちに向けられたものであるが、その中には大人になってからも通用する普遍的な思想が詰まっている。吉行氏は、自分自身が生きる中で宮沢賢治の思想に触れ、それが自分の人生に深く影響を与えたことを述べている。
本書を読むことで、宮沢賢治の小説と吉行氏のエッセイに触れることができ、自分自身の人生や社会について考える機会を与えてくれる。是非、多くの人に読んでほしい書籍である。
※本記事の情報は、2021年8月時点のものです。
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