『ドニエプル』のレビュー

はじめに

陸軍将校でありながら第二次世界大戦中にソ連赤軍に参加したユリウシュ・ガルチキ氏の自伝的小説『ドニエプル』は、戦争において緊密な連帯を築いた新たな家族、あるいは「勝者の連帯」というストーリーを描いた本格的な戦争小説だ。

ストーリー

タイフーン作戦を指揮するオラニエンブリュック将軍の部隊に加わったガルチキ氏は、ドイツ軍と交戦しながらも、陸軍の使命から逸れてソ連赤軍に移籍する。彼は東部戦線を転戦し、赤軍兵や現地住民と深い交流を持ちながらドニエプル川を渡り、戦争の厳しさと悲惨さを体験する。氏は自らの生き方や信念、友情など多様な問題を考え、自身の存在意義を模索する。

印象に残る点

『ドニエプル』の印象に残る点は、戦争によって生じた壮絶かつ悲惨な体験が、氏の性格形成に与えた影響である。不利な状況にある友軍の救援に命を懸けたり、現場で多難な決定を下したりしながら、氏は自己実現に貢献するとともに、必要とされる役割を担った。

また、ドイツ軍を相手に戦う中で、彼は兵士同士の団結力や国旗によらない愛国心の重要性を悟った。最初は自分自身で生きることを優先したが、友情や理解、共感など様々な気持ちがガルチキ氏を変えていく様子は、読む者の心に深い感銘を残す。

総評

『ドニエプル』は、ユリウシュ・ガルチキ氏という主人公とともに、戦争時代の厳格さと実践の中で成長するストーリーだ。その悲惨な事実によって印象に残るが、フィクションによるスリリングな状況も含まれるため、誰にでも推薦できる読み物だ。


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