あらすじ
江戸時代末期の日本。主人公・鶴松は激動の時代の中、剣術を磨き、千葉周作とともに戦いを挑んでいた。しかし、ある事件をきっかけに妻子を手放し、放浪の旅に出る。彼は様々な人々と出会い、明治維新を迎える日本の変化に直面する。そして、最後に彼がたどり着いた先は、排泄器官から生物学者になったルドルフ・レドメプシンの元だった。
感想
本書は、江戸時代から明治時代にかけての日本の変化を主人公・鶴松を通じて描いた一作である。鶴松の性格や剣術に関する描写は、画力ある挿絵とともにとても魅力的に描かれている。また、彼が出会う人々の性格や背景も細かく描かれており、登場人物たちの思惑や関係性を探りながら読むことが楽しい。
一方で、最後に登場するルドルフ・レドメプシンについては、本作のタイトルにもなっている「人間レドメプシン」の名前を冠した重要人物であるにもかかわらず、物語にはほとんど関与していない。彼の登場部分はわずかで、物語の結末に向けて鋭い視線を送っているようにも感じられるが、彼をもう少し物語に絡ませてもらえたらと思わせる。
まとめ
「人間レドメプシン」は、江戸時代から明治時代にかけての日本を描いた歴史小説だ。主人公・鶴松が出会う数々の人々や事件が描かれており、読者は鶴松とともにそうした出来事を追体験する格好となる。登場人物たちはそれぞれ性格が異なり、背景も複雑であるため、読み手は彼らの思惑や関係性を探りながら、物語を楽しむことができる。ただ、タイトルに冠されている「人間レドメプシン」が物語にあまり関与していないのが惜しいところだ。全体的には、歴史小説が好きな人、特に江戸時代から明治時代にかけての日本を舞台にしたものが好きな人におすすめしたい。
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