あらすじ
舞台は1969年から1984年にかけての日本。主人公のトオルは19歳の時、親友の死をきっかけに、心を閉ざし大学をやめて東京から逃げ出す。逃げ場のなかったトオルは高校時代の先輩であるナオコと再会し、彼女と恋に落ちる。
感想
本作は、主人公のトオルが織り成す“青春群像劇”とも言える作品だ。トオルが過ごす、東京や北海道を中心としたロケーションは、それぞれに季節感があって、物語の雰囲気を盛り上げている。また、登場人物たちの言動や感情描写は非常にリアルで、物語の中にいるかのように感じられる。
特に、トオルとナオコの心の揺れ動きは、胸がキュンとするような切なさと同時に、大人になることの寂しさを感じさせるものである。そのため、作品を読んでいるうちに自然と登場人物たちに共感してしまい、彼らの人生について考えるようになる。
総評
本作は、ハルキ・ムラカミの代表作とも言える一冊だ。瑞々しい青春を描いた作品ではあるが、それだけでなく、大人になって初めて気付くことや感じることを描いている。また、物語に深みを与える登場人物たちの内面描写は、唯一無二のものがあり、作品の魅力を高めている。全ての人におすすめしたい作品である。
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