あらすじ
主人公の僕は、ある日、共通点のないクラスメイトである山内桜良と出会う。彼女が持つ「共病文庫」という日記に自分の名前が書かれていたことから、二人は意外なつながりを持つようになる。そして、桜良が膵臓癌で余命が僅かしか残されていないことを知る。
感想
本作の素晴らしいところは、病というテーマを取り上げつつも、つかみどころのない感情や女子高生たちの青春が描かれていることです。医療描写については、実際に癌と闘った人たちからの聞き取り調査も行われているため、非常にリアルかつ心に響くものがあります。
また、物語の進行に合わせて、登場人物たちの心理描写が詳細に描かれているため、物語に感情移入しやすいと思います。特に、桜良の台詞には、生きることへの強い思いが込められており、彼女が自分に向ける言葉に胸が熱くなりました。
最後に、犬飼先生が作り出した世界観にも触れたいと思います。彼女が描く女子高生たちの日々は、ロマンティックでありながら、切なくもあります。そして、最後のシーンでは、どこか希望のある終わり方が迎えられるため、綺麗な感動を呼び起こすことができるのです。
まとめ
「君の膵臓をたべたい」は、病気というテーマの重さと青春の軽やかさを見事に調和させた、ハートフルな物語です。登場人物たちの思いや感情が細部まで描かれているため、読み進めるにつれて彼らに感情移入しやすくなると思います。映画版も公開されているため、作品の大ファンには、原作と合わせて楽しめるのも魅力の一つです。
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