「夜のピクニック」

概要

「夜のピクニック」は、高樹のぶ子による小説である。白いワンピース姿の妊婦と、彼女を追いかける夫、そして夫の親友・同僚たちの、ひと夏の物語が描かれている。

ストーリー

主人公の妊婦・朋美は、夫・浩二とともに、夜のピクニックに出かける。しかし、そこで彼女は自分が想像していたようなマタニティライフとは大きく違っていることに気づく。夫たちの言動や様子が彼女にとって常識外れで、孤独を感じるようになっていく。同じく顔合わせた妊婦たちも、彼女と違うライフスタイルを送っていることに気付き、傷つけられる。

浩二は、彼女が自分たちの居場所を見つけられないことや、産後の生活をどう切り抜けるべきかを考えずにいた自分自身に倦怠感を感じていた。そんななか、彼女が産まれてくる子どもに対して抱いている不安をきちんと理解することで、彼女と向き合い、自分たちの家庭を築いていく決意をする。

感想

高樹のぶ子の描く人物の心理描写が素晴らしい。特に主人公・朋美の孤独感や不安感が、とてもリアルに描かれている。また、夫たちの行動や言動に対して、主人公が感じる違和感や戸惑いが、読者にも伝わってくるような描写が多い。

ただ、内容自体はあまりにも静かな物語なので、読んでいて退屈になってしまうかもしれない。また、この小説で描かれているような妊婦たちの生活や問題には、現代社会でもある程度の共感が得られる部分はあるものの、少し時代遅れの感じがする。

評価

★★★☆☆（3/5）

以上、高樹のぶ子の「夜のピクニック」についてのレビューでした。