「僕らの街で」のレビュー

概要

「僕らの街で」は、今野敏さんが執筆した小説である。その舞台は、1960年代の東京。主人公の大学生、岸田は、自分の居場所を探し求めていた。それが、新宿にあった民主同盟の事務所だった。そこで、岸田は活動家の橘と出会うことになる。そして、橘を中心とした活動に参加するようになる。物語は、岸田が橘との出会いから、激動の時代を生き抜いていく姿を描いている。

感想

この小説は、時代背景がとても重要だと感じた。当時は、アメリカとの不平等条約に基づく基地問題や、学生運動が盛り上がっていた時期である。その中で、若者たちは自分たちの信念を貫くため、行動に移していた。そんな時代に生きた若者たちの葛藤や行動力が、本書で描かれている。

また、岸田という主人公は、自分自身に迷いながらも、何かを成し遂げたいという強い思いを持っていた。活動については、最初は戸惑いもあったが、だんだんと志を同じくする仲間たちに囲まれ、自分がやるべきことが見えてきた。その変化を感じることができたのは、小説としては非常に魅力的だと思う。

ただ、読み進めていくうちに、ある種の重苦しさを感じることもあった。時代のせいもあるかもしれないが、主人公たちの思想や行動に対する突き放しや批判的な描写が目立つ。それは、この小説があくまで小説であるからこそ、ある程度のフィクションが加えられているからだろう。しかし、それでも、私としてはもう少し主人公たちの心情に寄り添った描写があってもいいのかなと感じた。

おすすめ度

「僕らの街で」は、時代背景を感じながらも、主人公の成長や若者たちの思いを描いた優れた小説だと思う。ただ、ある程度重苦しい描写が多いため、読むときは気持ちを切り替えて取り組む必要があるかもしれない。そんな人には、ぜひ読んでほしい。


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