『平凡な人々』

物語の概要

『平凡な人々』は、松本清張の小説で、戦後初期の日本社会を舞台にしている。物語は、主人公の川崎俊夫が、妻との不和から不倫に走り、その女性が自殺するところから始まる。俊夫は、不倫相手の周防ひとみの夫である沢木裕介から脅され、そのうちに殺害される。裕介は、警察に逮捕され、裕介の弁護士である山名郁朗が、事件の真相を追及する。

感想

本作は、松本清張らしい緻密な描写が印象的である。主人公の悪徳性は、どこか嘘くさいものがあり、事件の一つひとつが、うまくからみあわされている 。また、戦後初期の日本社会を、正確かつリアルな描写で再現し、社会の変化に伴う人々の心情の変化を浮き彫りにしている。松本清張の小説の中でも、特におすすめである。

評価

松本清張の作品としては、典型的な傑作といえるだろう。登場人物たちの存在感が強く、緻密な構成は見事である。また、本作品においては、戦後初期の日本社会や人々の心情を丹念に描いており、そうした描写が作品の見どころの一つである。　
全体的な評価としては、５点満点中、４点をあげたい。