『私の青春ラブコメはまちがっている。』レビュー

概要

『私の青春ラブコメはまちがっている。』は、渡航によるライトノベル作品である。物語は、不器用な男子高校生・比企谷八幡が、クラスメイトの美少女・雪ノ下雪乃とともに、学園の様々な問題を解決していく姿を描いている。

比企谷八幡は、人と関わるのが苦手で、自らを「偽物」と称している。ある日、担任教師の発案で、学園内の問題を解決する「依頼箱」が設置される。その依頼箱に投稿された依頼を解決するクラブが創設され、比企谷もそのメンバーとして参加することに。

そこで出会ったのが、学園一の美少女・雪ノ下雪乃だった。雪乃もまた、人との距離を保とうとしている不器用な少女である。比企谷と雪乃は、依頼を解決しながら、少しずつ心を通わせていく。

主人公の比企谷八幡は、誰に対しても冷たい態度を取っているが、根は優しい性格の持ち主。雪ノ下雪乃は、見た目に反してかなりズレており、常識外れな言動をすることがある。それでも、自分の信念を曲げない強さを持っている。

その他、比企谷と雪乃が関わるクラスメイトたちのキャラクターも豊かに描かれている。彼らがそれぞれ抱える悩みや問題が、物語に深みを与えている。

『私の青春ラブコメはまちがっている。』は、不器用な主人公と美少女との青春ラブコメディという一見ありがちな設定ではあるが、その先には非常に深いテーマが隠されている。自分を偽り続けてきた比企谷が、自分らしく生きるために向き合っていく様子が、心に響く。

また、登場人物たちの言動や行動には、社会風刺や人間関係の裏側が描かれており、読み応えがある。繊細な心理描写も、作者の得意とするところ。

全体的に、ストーリー構成やキャラクター描写が上手く、一度読んだら続きが気になる作品である。

『私の青春ラブコメはまちがっている。』は、青春ラブコメ作品の王道を行く作品であるが、その王道の奥に深いテーマがある。登場人物たちが自分探しをしながら、成長していく様子に共感できる読者が多いはずである。非常におすすめの一冊である。

※本記事は、『私の青春ラブコメはまちがっている。』のレビュー記事となります。参考にされる際は、ご注意ください。