『魔女が棲む家』-サム・ヒューズ

概要

『魔女が棲む家』は、サム・ヒューズによるデビュー小説である。物語は、魔女伝説の残る村に引っ越してきた一家を中心に展開する。主人公の少女・メリディスが自らの運命を知り、魔女として生きていく中で巻き起こる事件を描いたファンタジー作品となっている。

感想

まず、筆者は本書の設定やキャラクター造形に非常に感心した。物語は、第一人称で語られ、主人公の内面的な葛藤や成長をとても丁寧に描いてくれている。特に、メリディスの魔女としての能力が徐々に明かされる描写には、読者と同じくワクワクした。

さらに、人物像に深みがあることも本作の魅力の一つだ。魔女を表す単なるステレオタイプだけでなく、個性的で思いがけない一面を持つキャラクターが多数登場する。物語が進むにつれて、その一人一人の人間模様が丁寧に描かれていくのも興味深かった。

一方、本作の少々緩急の乏しい展開が気になるところである。特に、中盤から後半にかけては、物語が一気に動き出す展開になっているため、少し息切れしている感は否めない。筆者自身は、もう少し中盤にキャラクターの掘り下げを入れて展開をつなぎ合わせるだけでも作品全体のリズム感が良くなったのではと思った。

まとめ

総じて、『魔女が棲む家』は、初めての著者による作品としては素晴らしい出来栄えだ。キャラクター造形や世界観の描写は、非常に魅力的で読みごたえがある。唯一の難点は、少々緩急に乏しい展開かもしれないという点だ。それでも、魔女やファンタジーが好きな人にはオススメの一冊であると思う。


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