「食べる心理学」書評

概要

「食べる心理学」は、著者の岡田斗司夫氏が食べることにおける心理学的な要素を分析した一冊です。食べることは欲求の１つであり、その欲求がどのような心理状態から生まれ、満たされるのかについてわかりやすく解説されています。

本書は全体的に分かりやすく、簡潔にまとまっています。章ごとに食べることにまつわるテーマが設定されており、人間の基本的な欲求である「食欲」から、食べ物の味・匂い・見た目の影響、さらには料理と文化、食べ物にまつわるシンボルなど幅広い視点から解説されています。

特に印象的だったのは、食事と人間関係の関係性についての解説でした。食事は身体を栄養で満たすだけでなく、人とのコミュニケーションの場にもなっているため、特定の人との食事や場所によって、食べることが与える影響は大きいと感じました。

また、食べ物の好みは生まれつきのものだけでなく、過去の経験や習慣、周りとの環境など様々な要因が影響していることが紹介されていました。このような要素が「食欲」には深く関わっていることを知り、自分が常食する商品や飲食店の選択に対しても、より多角的な視点で考えるようになりました。

「食べる心理学」は、食べることに興味がある方はもちろん、人間心理に興味がある方にもおすすめの一冊です。読み終わった後、自分の食生活に対して改めて考えることができる良書だと感じました。

（※注意：本書は心理学に関する内容が含まれていますが、専門書ではありません。確認をするためには、専門書や学術論文を参照することが推奨されます。）