本書概要
『君たちはどう生きるか』は、作家の吉野源三郎が1927年に発表した青春小説です。主人公である十八歳の少年・金田一春彦が、恩師にされた大杉先生や、学友の加納義治らとともに「生き方」と向き合って成長していく様子を描いています。現代の日本人にとっても共感することが多い問題やテーマを多数含んでいるため、長年にわたって多くの読者に愛されています。
読書の感想
本書を読んで最初に感じたのは、主人公たちが大人になるための「生き方」の模索に、現代の若者たちが抱える問題や悩みが共通しているということです。物語が描く「変化」や「成長」は、決してスムーズではなく、多くの苦悩や挫折があることが描かれています。しかし、その中でも大杉先生や加納義治らとの交流や、自己否定からの再生によって、主人公たちは少しずつ自分たちにとって最適な「生き方」を見い出していくのが印象的でした。
また、本書は一人の作家が自分自身や周りの人に向けたメッセージを、物語として形にしたものとも捉えられます。作者・吉野源三郎は、自身が興隆した明治時代という激動の時代を生き抜いて、自分の「生き方」について悩み続けた末、本書を執筆したとされています。そのため、「人生の問答」といった、深い哲学的な問いに挑みながら、物語を通して多くの読者に伝えたいメッセージが詰まっていると思います。
まとめ
『君たちはどう生きるか』は、大正時代から現代まで多くの読者に愛され続けている、日本の名作小説のひとつです。主人公の成長過程や、作者が伝えたかったメッセージが、現代の若者たちにも通じる内容となっています。一度読んでみることをおすすめします。
(レビューを書いた日:2021年8月1日)
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