概要
「それでも、日本人は戦争を選んだ」は、戦前から戦争を選んでしまった日本の歴史について考察した書籍である。著者の三浦瑠麗氏は、多くの文献や資料を取り入れ、日本の歴史的背景、政治的状況、軍事的選択、文化的背景などを掘り下げながら、なぜ日本は戦争を選んでしまったのかを解明している。
詳細
この書籍には、多くの表や図があるので、読みやすくストーリー性にも富んでいる。著者は、戦前の日本が海外で蔓延していた民族主義に多大な影響を受けたこと、陸軍の力が国政に介入するようになったこと、そして広く浸透した天皇中心主義が日本の戦争中の選択に影響を与えたことなどを指摘している。
また、日本の軍事的決定において、重要な要素となったのが日本の軍隊の若い隊員たちの存在だったと指摘している。軍隊内での若手の勢力が強く、個々の受け止め方によっては、近代的な戦争に対し、愛国心や正義の感覚がそのまま行動に移されることがあった。こうしたことが戦争に突き動かされる要素の一つになったと考えられる。
まとめ
三浦氏は、「それでも、日本人は戦争を選んだ」の中で、戦争に至るまでの複雑な過程を明らかにすることで、日本の歴史的な課題について再考させている。人々が戦争を選択した理由を明らかにすることが、そうしたことのない日本の未来について考案する最初のステップとなるのかもしれない。
参考文献
- 三浦瑠麗 (2018)。それでも、日本人は戦争を選んだ。新潮社。
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