『世界史の中の日本人』のレビュー

概要

『世界史の中の日本人』は、歴史・民族学者のハルトゥン・サアトチアンによる、日本人の歴史を世界史の中で捉え直す試みをたどった著書である。日本史においては「孤島」として表現されることの多い日本人の歴史が、紀元前から現代まで、世界史のなかでどのように位置付けられるべきか、サアトチアンの独自の解釈に基づいて描かれている。

評価

本書は、歴史好きである私にとって、興味深く読めた一冊だった。日本人の歴史を、一つずつ時代背景と照らし合わせながら、世界の歴史と同時に俯瞰した上で、より広い視野から見えるものを提示している。特に、日本史で一般的に重視される鎌倉時代以降における日本人の状況が、当時の世界情勢を踏まえることで、より深い理解ができたと感じた。

ただ、本書は比較的専門的な内容も含まれているため、歴史初心者にとっては少し難解かもしれない。また、著者が自身の独自の解釈に基づいているため、一部読者にとっては異論があるかもしれない。しかし、私個人としては、多様な視点が存在することが歴史の魅力の一つであり、サアトチアンの見方も興味深いものであった。

感想

「孤島」とされてきた日本人の歴史が、世界史のなかでどのように位置付けられるべきなのか、本書では細かく分析されている。歴史好きにとっては、一つの歴史を横断的に見ることができる貴重な書籍である。特に、国際情勢と密接に関わる戦国時代や幕末期に、日本がどのような立ち位置にいたのかが興味深かった。これからは歴史を縦断的にだけではなく、横断的に鑑賞していくことが必要だと感じた。

参考文献

ハルトゥン・サアトチアン『世界史の中の日本人』(岩波新書、2019)


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