『火花』 岩井俊二 著

あらすじ:

最愛の人を亡くした男・青木(役所広司)は、彼女が生前に入れてくれた美容室を訪ねる。そこで出会った美容師・森山(北村一輝)との対話を通して、自分自身を見つめ、成長していく人間模様を描いた物語。

感想:

岩井俊二監督の映画『火花』を観た後、原作の小説も読んでみました。映画とはまた異なる世界観が読み手を魅了します。

青木の悲しみと苦悩の中で、様々な人々が彼を導きます。美容師の森山には、表面的な美しさではなく人の真実の美しさを見る力があり、青木をひきとめることになります。

非常に繊細な描写が光る小説だと思います。大切な人を失ったとき、自分を変えていくために時間がかかっても、ゆっくりとでも自分を取り戻していくことができるのだと知らされます。また、美容師たちが繋がりを持ち、悩みを打ち明け合えるシーンは、とても温かい感動がありました。

総評:

全体的には、「失恋した」「悩みを抱えている」といった女性が中心の小説が多い中、男性視点の本書は新鮮でした。女性にも、男性にも共感を呼び、心に残る物語だと思います。


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