書籍レビュー「東京奇譚集」

概要

「東京奇譚集」は、作家・有栖川有栖による短編集である。1996年に刊行され、数多くの神秘的な話が収録されていることで知られる。

内容

本書は、全18編の短編が収録されている。どの話も東京を舞台にした奇妙な出来事が描かれており、一つ一つに独特の世界観がある。例えば、「人形幻想」では、廃墟にある人形工場に巻き込まれた男が悪夢に襲われる。また、「十三階段」では、一度上ったら二度と降りられないと言われる階段が現れ、主人公がその謎を追う。どの話も独創的な設定が光っている。

感想

本書は、一つ一つの話が短く、気軽に読めるところが良い。また、登場人物たちの心理描写にも緻密さがある点にも好感が持てた。ただ、どの話もあくまで「不可思議な話」であるため、納得できる結末が明示されるわけではなく、読み手によっては物足りなさを感じるかもしれない。しかし、舞台設定や独特の世界観、ストーリー展開には独自性があり、ミステリー好きならきっと楽しめる作品だと思う。

評価

本書は、独特の世界観と舞台設定、深い心理描写が魅力的な短編集だと感じた。物足りなく感じる部分もあるが、独自性があり、ミステリー好きなら読んで損はしない作品だと思う。星4つ。