あらすじ
主人公の夏目千歳は、大学を卒業して東京に出てきた。しかし就職先が決まらず不安な日々を送っていた。そんなある日、彼女は偶然にも東京協同組合というものを知る。組合員として働けば、仲間と協力して生計を立てられるというものだ。
夏目は興味津々で東京協同組合に加入し、他の組合員たちとともに、日々働く中で新しい仲間や新しい発見をしていく。しかし、そんな幸せな日々も長くは続かない。東京協同組合を運営していた経営者が突然姿を消し、会社は倒産。夏目たちは失業してしまうのだった。
感想
この『東京協同組合』は、組合員たちが協力しながら生活することの大切さを伝える物語だ。夏目をはじめとする組合員たちが、仲間と助け合いながら働き、生きていく姿は、とても感動的だった。また、組合員たちが共に課題に向き合う中で、自分自身の成長にも繋がっていくという点で、物語に教訓を感じることができた。
ただ、倒産の部分の描き方が少し急だったかもしれないと感じる。経営者が姿を消すまで会社が続いていた理由や、倒産時の混乱についての描写がもう少し欲しかったという印象がある。それでも、登場人物たちの熱い想いや絆は、十分に伝わってくる作品だったと思う。
評価
『東京協同組合』は、ストーリーの展開がスムーズで読みやすく、しっかりと伝えたいメッセージが持ち味の一冊だ。物語に登場する組合員たちが、実在の人々のようにリアルな印象があり、彼らが抱える悩みや喜びに共感できる部分もあった。
全体として、この作品は5段階評価で4としたいと思う。一度読んでみる価値のある小説だと感じた。
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