「世界の果てで愛を叫ぶ」レビュー

あらすじ

 大学卒業後、初めての就職先として中東のとある国にやって来た記者の菜穂子。彼女は執筆に必要な一通の手紙を受け取るが、送り主は亡くなった友人の夫であることが判明する。手紙には、友人が残した彼女宛の手紙の存在が示されており、夫の依頼で菜穂子が彼女の手紙を探し出すことになる。しかし、探索の行方は海を渡ってアメリカに住む彼女の元恋人であるリチャードに繋がっていく。

感想

 この小説は、菜穂子という女性が遠距離恋愛をしたまま亡くなってしまった友人(レイラ)の手紙を探し出す旅を描いた作品である。友愛や自己実現の思想を正しく認め、それを現実に繋げて生き抜くリチャードの姿勢や、その願いを叶えるために自分を変えていく菜穂子の成長が描かれている。特に、菜穂子の成長過程では、自己批判や失敗を受け入れることが大切ということが伝えられ、非常に共感できた。

おすすめポイント

 リチャードとレイラの愛の物語の描写は、描写のバランスがとても良いと感じた。また、トランプ大統領の移民政策を反面教師とした物語も興味深かった。最後に、どのキャラクターも、自分たちが成し遂げたことに対して責任を持ち、前向きに今を生きていく姿勢が描かれ、心打たれた。

以上のような、感情を揺さぶる小説である。「世界の果てで愛を叫ぶ」を読んで、心が激しく揺れ動かされた。この作品は、新しい人生を歩み始めるために、自分自身に問いかける契機を与えられる。「世界の果てで愛を叫ぶ」は、一度読んだら、心に残る小説である。


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