書籍レビュー：「村上春樹の1Q84」

概要

「1Q84」とは、著名な作家である村上春樹が2010年に発表した小説である。物語は、1984年の東京を舞台に、2人の主人公が縁がありながらも別々に生きていた過去を懐かしみながら、超自然的な出来事に巻き込まれるという内容である。全編で1152ページに及び、長編としても有名である。

ストーリー

主人公の一人、出版社編集者の青豆は、ある日「世界がおかしい」と感じるようになり、2つの月が空に浮かんでいる奇妙な現象を目撃する。同時に、彼女は幼いころに知り合った少女・天吾（てんご）の消息を探すことになる。もう一人の主人公、殺し屋の豊永は、ある依頼人から13歳の少女殺害の依頼を受け、それを成功させた。しかしそのリスクが高騰することで彼も2つの月を目撃するようになり、両者が出逢うことになる。

キャラクター

青豆は、普段はクールで仕事に熱心な出版社員だが、幼いころに保健室で知り合った天吾という少女との縁が物語を進める上で重要な役割を果たす。豊永は、かつてヤクザであったため、非常に冷酷かつ動静が機敏であるが、その過去や彼女思いの側面もある。

感想

本書は、緻密で丁寧な描写と独自の世界観が好評であるが、同時に長編であるため読み辛いという意見もある。筆者自身は、2つの月を象徴的な文学的表現で描いたり、登場人物の過去と現在をリアルな描写でつなぎ合わせたりと、村上春樹ならではの魅力が十分に詰まった作品だと感じた。ただし、ストーリーの流れが長く感じることもあったため、読了には相応の時間を要すると言える。

参考文献：村上春樹『1Q84』新潮社