『火花』のレビュー

あらすじ

『火花』は、元夫婦である主人公・宇治山と・友子が、子供の親権問題を巡って再び対立する物語である。友子は、自分と娘の未来のために遺言書に『母子家庭で育てること』という趣旨の文言を残したことから、宇治山はその遺言書を無効とするために、裁判所に争うことを決意する。

感想

本作は、一見するとただの家庭の問題に見えるが、自分たちが経験したことのある人にとっては、心に深い共感を呼ぶ作品であると感じた。主人公たちの葛藤や苦悩が、本当にリアルに描かれていて、その描写にはとても感動した。また、友子の“新しい家族”に対する恐れや、同じような立場に立った人たちの存在が示唆される箇所もあり、その点でも非常に印象に残った。

ある日本の小説家による極めて感情的な作品である『火花』は、読者にさまざまな感情を呼び起こし、やりきれなさや納得できなさがいっぱいの素晴らしい物語である。是非、一読することを強くお勧めする。

評価：★★★★★