「風が強く吹いている」レビュー

ストーリー

高校時代の陸上部仲間である四方田と八重樫が再会し、マラソンを走ることをきっかけに再び陸上部を作ろうとする。しかし、新たに加わった部員たちは個性的で、チームワークがなかなか取れない。そんな中、四方田が部員たちの間に深い溝を作り、チームが崩壊しかけた時、八重樫が一計を案じる。

感想

青春小説というものは、テンプレートのようなものがあるように思われるが、この作品はそれを崩しているように感じた。陸上部というスポーツを取り上げてはいるが、それ以上に人間ドラマが描かれており、登場人物たちの葛藤がリアルに描かれている。また、文体も独特で、日常的な表現が多用され、とても読みやすかった。

ただ、作品全体としては、少しテンポが遅く感じられた。四方田や八重樫のキャラクターも深掘りされていない印象があり、もう少し長く描いてほしかったと思う。しかし、ラストシーンはとても印象的で、心に残る一冊だと思う。

評価

★★★★☆

総評

風が強く吹いているは、陸上部を舞台にした青春小説であるが、登場人物たちの人間ドラマが描かれており、深い印象を残す作品である。少しテンポが遅く感じられる部分もあるが、ラストシーンは印象的で、心に残る一冊である。