概要
『1Q84』は、村上春樹による長編小説である。2009年から2010年にかけて、10ヶ月連続で新潮社の文芸雑誌『新潮』に掲載され、2010年に単行本が刊行された。物語の舞台は、1984年の日本である。男女2人の主人公が交錯する奇妙な世界が描かれ、出版当初から話題を集めた。
あらすじ
主人公の1人、教師の「青豆」こと、菊田哲也は、愛人の葛西に誘われ、ホテルへと向かった。しかし、ホテルのエレベーターに乗った瞬間、彼は別の世界に飛ばされてしまう。そこは彼が知る日本とは全く違う、1つだけ違う世界「1Q84」だった。
もう1人の主人公、占い師の「紫」こと、出来杉徹も同じ世界、1Q84にいた。彼女は、かつてのクライアント、宗城カオルに依頼されて、何かを探すため、夜の街をさまよい歩く。そこで彼女は、青豆と出会い、彼女たちの運命が交錯する。
感想
本作は、村上春樹の代表作として、多くの人々に愛され続けている小説である。筆者自身も、この小説が好きすぎて何度も読み返してしまうので、レビューを書くことに非常に慎重になってしまった。
まず、本作は、村上春樹ならではの不思議な世界観が描かれていると思う。主人公たちは、2つの世界の狭間に立ち、どちらの世界に属するのか分からないまま物語が進んでいく。そして、彼らが出会う様々な人々も、不思議な世界観の中で存在感を放っている。
また、本作は、人間の「孤独」と「つながり」についても描かれている。主人公たちは、それぞれに孤独な気持ちを抱えているが、出会うことで、徐々につながりを見つけていく。中でも、青豆と紫の関係は、物語の核心をなしていると言える。
ただ、一方で、本作の長さには少々疑問を持ってしまう。物語は3巻構成になっており、全巻で1600ページを超える。個人的には、あまりにも長すぎて途中で読む気が失せてしまったということもある。もちろん、逆に1600ページ分真剣に読み込めば、更に深みのある物語を楽しめるのかもしれないが、長さ自体がハードルとなってしまっている面も否めない。
まとめ
『1Q84』は、不思議な世界観が描かれた長編小説である。人間の「孤独」と「つながり」も描かれており、村上春樹の代表作として高い評価を得ている。ただ、長さには注意が必要である。筆者個人としては、長すぎて途中で読む気を失ってしまう可能性もあるため、ある程度の読みごたえに耐えられる人におすすめである。
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