概要
『雪国』は、川端康成による日本の小説である。1950年に発表され、同年度の直木賞を受賞した。物語は、東京とは異なる世界感を持つ北国の駅・飛騨高山駅に到着した主人公・島村を中心に描かれる。
詳細
小説『雪国』は、三島由紀夫も高く評価した、日本の近代文学の代表作である。物語の舞台は、冬の北国である。北陸の寒村・飛騨高山駅から一人で帰路につく中年青年・島村は、途中で同行する女郎・小夜子とともに、看板女中・お島の屋敷に迷い込む。
そこから物語が始まり、島村と小夜子の恋と、それをとりまく人々や自然の季節の移り変わりを描く。物語の背景となる雪国の風景は、時に美しく、時に不安なものである。島村が抱く小夜子への切なる想いと、小夜子が抱く、彼女自身も理解しきれないほどの孤独感は、読者の心を揺さぶる。
評価
川端康成の小説は、冷静沈着な筆致と、独特の空気感で有名である。その中でも『雪国』は、北国の冬景色を壮大なスケールで描く、モノクロ映画のような美しい小説である。また、時代背景にも注目する必要がある。小説が発表された1950年は、戦後間もない時期であった。開発と合理化の時代がはじまり、自然とのつながりが切れていく中で、『雪国』は生きることの孤独を描く作品である。
まとめ
『雪国』は、美しい風景描写と恋愛模様を中心に描かれた、現代文学の代表的作品の1つである。川端康成が描き出す世界観は、その独特の空気感と美しさにより、多くの読者に愛され続けている。
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