『キノの旅』レビュー

概要

『キノの旅』は、時代や文化、政治にとらわれずにさまざまな国を旅する少女キノと、彼女を含むさまざまな人々の出会いと別れを描く小説シリーズである。

ストーリーとキャラクター

シリーズ中、公式にマスターパースンの文字をあしらった初出版のタイトルは『キノの旅 -the Beautiful World-』である。この名前の通り、小説の中のキノが旅先で見る、聞く、体験する様々なものは美しく、かつある種荒涼としている。また、シリーズを通じてキノや、キノが訪れる国々の人々が、現代を対象とした様々な社会的問題を考えさせられる。それぞれのストーリーは、広大なファンタジーの世界観の中で、見やすくまとめることができている。

文体

同作品の特徴的な点の1つは、語り口が比較的簡素であることである。小説の主人公であるキノが、慎重に選ばれたほんのわずかの言葉を通じて話され、思考が描かれている。また、シリーズの文体は、大変素直である。作品が瞬時に読めるのは、このストレートさと、主人公としてのキノの思考が非常に身近なためである。

まとめ

『キノの旅』は、広い世界を旅する少女の視点から見た様々な国々の物語を通じ、読者に様々な問いかけをしている。一般向けの作品だけでなく、文学的な作品としても、その深みは評価されている。シリーズ中、キノ自身が常に分岐を選び、切り開いた道の先で幸福を見出す姿に、自分にとって大事なことに気が付くきっかけとなる読者も多いだろう。


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