概要
『花束にとらわれた女』は、吉田修一による小説であり、出版社は文藝春秋です。主人公の玲子が、子育てや家庭のことで悩みながらも、ある事件をきっかけに人生の方向性を考え直す様子が描かれています。
ストーリー
玲子は、子供が3人いる主婦で、専業主婦としての生活を送っています。夫はサラリーマンで、家族は一応幸せな生活を送っていますが、玲子は何か物足りなさを感じていました。そんなある日、夫の計らいで大学時代の友人・香織と再会を果たしました。再会以来、玲子は香織に惹かれていく中で、どこか他人との距離感や、自分自身と向き合うことを求めるようになります。
そんな時、玲子が子供と一緒に外出すると、花屋で出会った男性・橋本に声をかけられます。一緒にお茶をする約束をした橋本に、玲子は少しずつ惹かれていくのですが、橋本の素性にも少しずつ疑いを持つようになります。
その後、香織が持っていた秘密が明るみに出ることにより、玲子は自分が求めるものを見つけ、自分自身と向き合うことになります。
感想
本作を読んだ感想としては、吉田修一の小説によくある、普通の主婦が思いもよらない事件や人物に出会い、自分自身を見つめ直す、という設定はあるものの、人物への感情移入が非常にしやすい点が良かったです。また、多くの女性が抱える悩みや葛藤が描かれているため、共感できる部分が多くありました。
しかしながら、終盤の展開があまりに唐突で、物語全体の印象が悪くなってしまう部分もあり、少し拍子抜けしてしまいました。
まとめ
『花束にとらわれた女』は、普通の主婦が自分自身を見つめ直す、という吉田修一らしい設定が印象的な小説でした。人物への感情移入がしやすく、女性たちが共感できる部分が多い点が魅力的です。唐突な終盤の展開があるものの、全体的には読んでよかったと思える作品でした。
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