概要
「殺人病棟」は、作家・湊かなえによる小説である。主人公の担当する精神科病院で、1人の患者が殺される事件が起こり、次々と診察を担当した患者が死んでいく中、主人公は真相解明に奔走する。
感想
この作品は、とにかくミステリーとしての完成度が高いと思う。何が起こっているのか、誰が犯人なのかが明かされるまでの展開は、読んでいると胸が高鳴るほど。病院という閉鎖的な環境の中で、不可避的に繰り広げられる犯罪の連鎖に、どんどん引き込まれていく。
また、登場人物たちの違和感のある言動や行動が、ある程度読者に何かを暗示しているようで、そこがスリリングな要素としての効果を上げている。
ただ、精神科病院という舞台設定があまり細かく描かれていないため、そこがあまりリアリティが感じられず、個人的には残念に感じた。
まとめ
「殺人病棟」は、ストーリーが巧妙に組み上げられた大変楽しめる作品である。登場人物たちの影響を受け、読者自身も騙されることがあるが、最後に正体を明かす展開は見事である。また、病院という閉鎖的な空間で起こる事件という設定や、違和感のある描写がスリリングさを増している。少し細部に関しては物足りなさを感じたが、全体的にはおすすめできる一冊である。
※文章中には意図的に強調したい部分があるため、タグは使用していません。
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