「火花」を読んでの感想

あらすじ

東京で暮らす主人公・加藤は、会社が倒産してしまい、地元にある祖父の遺品整理のために故郷の田舎に戻る。そこで再び出会った幼馴染の島村との関係が再燃し、猪突猛進的に動き始める。

感想

この小説は、積極的に変化を求める主人公・加藤と、その行動が周囲に影響を与えていく描写がとても印象的でした。加藤の強い意志と情熱が、しばしば周囲を振り回しかねない場面もあるが、その姿勢には心を打たれるものがありました。

特に、加藤と島村の関係の描写が繊細で素晴らしかったです。幼馴染だった二人が再び出会ってから、彼らの間には微妙な距離が生まれていましたが、加藤が真剣に向き合い、本音をぶつけ合うことで、その距離が縮まっていくように描かれています。

また、この小説は、まさに「火花」のような瞬間瞬間の輝きを描いていると感じました。登場人物たちの思いや行動が、他の登場人物たちにも及ぼす影響があり、その結果として何らかの変化や発展が生まれる。そんな展開があるため、その都度「火花」が散るような錯覚を覚えるくらい、衝撃的かつ美しい瞬間がたくさんありました。

全体的に、この小説はどこか切なくも美しい、人々の喜怒哀楽を描いた作品だと感じました。

参考書籍:「火花」(柴田真央/著、新潮社、2016)


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