『アタラシイオトコ』のレビュー

あらすじ

主人公・佐藤健太は東京の大手広告代理店に勤める29歳の独身男性。ある日、新人の女性社員・牧野玲子と出会い、彼女から頼まれて“新しい男性の心理”についてのアドバイスをすることに。そんな中、健太にも新しい恋が訪れ…。

この作品は、現代の男女の恋愛観や性格に焦点を当てた、とてもおもしろい小説でした。主人公の佐藤健太は、自己中心的で傲慢な一面がありますが、同時にフェアで正直なところがあるので、男性たちからは共感を得やすいキャラクターだと思います。

一方で、女性の牧野玲子は、自分に確かな自信がある一方、周りの人たちを見下す傾向があり、最初はあまり好感を持てませんでしたが、徐々に彼女の心の変化を見守るうちに、彼女がどのような人物であるかを理解することができました。

この小説は、恋愛の過程をリアルかつ緻密に描いているため、読者自身が作品の中に入り込んでしまうこと間違いなしです。また、著者である田辺友美さんが、男女の心理を深く理解していることが、作品の質の高さにつながっていると思います。

『アタラシイオトコ』は、男女の心理を踏まえた分析的な恋愛小説であり、物語としてもとても面白いものでした。作者の田辺友美さんの作品は初めてだったのですが、この小説を読んでからは、彼女の他の作品も読んでみたいと思うようになりました。