あらすじ
主人公の高校生、僕とクラスメイトの山内桜良は、偶然同じ図書室で本を読んでいるところから知り合う。桜良は、自分に余命があと数年しか残っていないと告げ、遺書代わりに「共病文庫」という、自分と同じ病を抱えた人々の書物を紹介する手帳を僕に渡す。二人は徐々に打ち解けていくが、ある日突然桜良からの連絡が途絶え……。
感想
本作は、主人公の“僕”を中心に展開される、感動的なロマンスストーリーです。物語はシンプルですが、登場人物それぞれが持つ葛藤や精神的な成長が描かれ、人間ドラマとして深い印象を残します。
また、本作が描く病と人生の掛け算によって、年齢や性別を超えた共感を呼び起こします。特に、共病文庫で紹介される作品の選曲は秀逸で、その要素もこの作品の魅力の一つと言えます。
ただ、抱えるテーマが重いため、読者の心に深い傷を刻み込むこともあるかもしれません。読み終わった後、しばらく心に残る感触を、ぜひ味わってみてほしいと思います。
総合評価
本作は、心に残る感動的なロマンスストーリーです。深いテーマに触れながらも、清々しい印象を残す作品です。共病文庫の選曲も素晴らしく、読者を引き込む要素に溢れています。ただし、テーマが重く、読み終わった後には感情的に疲れるかもしれません。全体的には、名作としておすすめできます。
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