『猫殺しの狂詩曲』のレビュー

物語の概要

『猫殺しの狂詩曲』は、謎解き小説として知られる綾辻行人氏の最新作です。主人公の水神雪乃は、ある日倒れていた男性を助けたことをきっかけに、祖父の「日本最強の探偵」との再会を果たします。彼女は祖父から、猫殺し事件の捜査に協力するよう依頼されます。事件の舞台は、同じ学校に通う雪乃の友人・大和姉妹の住む屋敷。事件は謎が多く、また猫たちが巻き込まれていたことから、雪乃と祖父は猫と人間の謎を解き明かしながら事件を追います。

感想

この作品は、綾辻氏の代表作『氷菓』や『古都』と同様、細かな伏線や鮮やかな筆致が素晴らしいです。謎解きの展開も緻密で、猫たちのキャラクターも可愛らしく描かれています。また、物語の中核にある「猫と人間には共通点がある」というテーマには、深いメッセージが込められています。

一方で、登場人物の人間味が足りないと感じる箇所もあります。また、事件解決のためには、ある程度の医学的知識が必要とされる場面があり、医学に詳しくない読者には不親切かもしれません。しかし、それでも全体的に見ると、綾辻氏の作品として充分に楽しめる一冊だと思います。

評価

『猫殺しの狂詩曲』は、ストーリー展開やテーマの深さが素晴らしい作品です。登場する猫たちが非常に可愛らしいのも魅力的です。ただ、登場人物の人間味が欠ける箇所もあるため、星4つとしました。

評価：★★★★