『嫌われる勇気』のレビュー

はじめに

『嫌われる勇気』は、岸見一郎氏と古賀史健氏による共著で、2013年に発売された自己啓発書である。フロイト派心理学をベースに、アドラー心理学の考え方を取り入れた独自の思想を展開している。

概要

本書は、「幸せな人生を送るためのヒント」として、アドラー心理学の基本的な考え方を紹介しながら、人生を貫くための「勇気」の重要性を説いている。著者たちは、自由でありながらもなぜか束縛されてしまう現代社会において、人々が壁にぶつかり、苦しんでいる現状を変えるために、アドラー心理学の考え方を用いて新しい生き方を提案している。

詳細

本書は、全12章から構成されている。それぞれの章では、アドラー心理学の理論を解説しながら、その考え方を生かした実践的なアドバイスが記されている。

章題も独特で、「幸福は自分で選ぶもの」「他者の目を気にしない勇気」「人と比べない勇気」「未来に夢中になる勇気」というように、日常的な言葉で表現されたものが多い。

また、岸見氏と古賀氏によるエピソードや、著名な学者の言葉なども引用され、複数の視点からアドラー心理学の考え方を深めることができる。

感想

本書の読後感としては、「人は自由であり、自分で自分を選ぶことができる」というアドラー心理学の理念が、非常に鮮明になったと感じた。自己実現のための勇気を持つことが、生きることの意味や幸福感の向上につながることが理解しやすく示されているため、自分自身が思考や行動を変えるきっかけをもらえたと思う。

文字数の関係で、本書の魅力やより詳細な内容を紹介しきれない部分もあるが、本書が提唱するアドラー心理学の視点を身につけ、自分自身が持つべき勇気を考えるよいきっかけになることは間違いないだろう。

参考文献： 岸見一郎・古賀史健『 嫌われる勇気』ダイヤモンド社、2013年。