はじめに
本記事では、リカちゃん人形やバービー人形、そしてかわいい小物などのデザインを手がける、土屋礼央さんの小説『東京タワー』についてレビューをしていきます。
あらすじ
本作は、主人公の土屋礼央さんが、自分の人生を振り返りながら東京タワーから見える景色を眺める様子を描いた自伝的小説です。彼は子どもの頃からお人形やマニキュアが大好きで、その夢はデザイナーになることでした。しかし、周囲からは「男がファッションデザイナーになるなんて」と否定され続けました。そんな中、彼はバービーコンテストで優勝し、デザイナーとしての道を歩みだします。そして、リカちゃん人形のぬいぐるみを発売し大ヒットさせたのをきっかけに、彼はデザイン業界で一躍有名になるのです。
感想
『東京タワー』は、自分の夢を追い続けることの難しさや、挫折を乗り越えることの大切さを描いています。特に、土屋礼央さんが「男がファッションデザイナーになるなんて」と周囲から否定された場面では、現代社会においても性差別が根強く存在することが浮き彫りになります。しかし、土屋さんは自分の夢をあきらめず、さまざまな困難を乗り越えてきたのです。そんな強い精神力に、私たちは感銘を受けることができました。
また、本作は土屋さんのデザイン哲学についても触れています。彼は、小さなものにもデザインの力を注ぐことで、人々が豊かな気持ちになると考えています。その思想に共感を覚えました。
前半は少し退屈に感じましたが、中盤からは展開が早くなり、一気に読み進められました。とくに、リカちゃん人形のぬいぐるみが大ヒットした部分は、その成功を目指す人たちにとって、非常に勇気づけられるシーンでした。
まとめ
『東京タワー』は、土屋礼央さんが自らの人生を振り返りながら、デザイナーとしての成功までの道のりを描いた自伝的小説です。自分の夢を追い続けることの大切さや、小さなものにもデザインの力を注ぐことの意義について、考えさせられる作品となっています。私は、性別や年齢に関係なく、どんな人にもおすすめできる一冊だと思います。
【評価】
ストーリー:★★★★☆
登場人物:★★★★☆
文体:★★★☆☆
オリジナリティー:★★★☆☆
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