『ノルウェイの森』

あらすじ

村上春樹が1987年に発表した小説『ノルウェイの森』は、戦後を舞台に、登場人物たちの愛と別れ、心の傷と癒しを描いた青春小説です。主人公のトオルは、高校時代に親友の心中に遭遇したことにより、人生に悩み抜くうちに、自分自身も心に深く傷を負ってしまいます。彼が大学に進学すると、そこでも美しい女性たちと出会い、心を揺さぶられていきます。彼は、自分の幸福を求めながら、友情と愛情、人間関係の複雑さや苦しさについて、悩み苦しみながら紆余曲折な過程を歩んでいくことになります。

レビュー

この小説は、青春小説としては珍しく、登場人物たちは対等な存在として立っており、それぞれが自己を確立しようとする姿勢が描かれています。トオルが多くの女性たちと関わることで、女性性・男性性の別や、いわゆる”装い“が変化することを表現しているのかもしれません。時代や環境に打ち勝って、自分を生き抜く方法を探す個性的な登場人物たちが、自分自身を突き詰め、解き明かしながら、「森」という美しく、神秘的な場所に向けて、進んでいくストーリーが印象的です。

まとめ

アメリカのレビュー誌「ニューヨーカー」で、「20世紀の英語圏の小説100ベスト」に選ばれている『ノルウェイの森』は、長く重厚な小説ではないかもしれませんが、作品の中の、登場人物たちの内面の葛藤や、人生を歩む中での悩みの現実味、真摯さなどが、リアリティを増して魅力的であり、深みのある作品として後世に残るだろうと思われます。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です