書籍レビュー:「騙し絵と偽物の美術史」

概要

「騙し絵と偽物の美術史」は、美術史の中で起こった数々の偽造事件や騙し絵について解説した書籍です。著者の河合祥一郎氏は、美術史家でありながら鑑定家としても活躍しており、多くの偽造事件に携わってきました。本書では、その経験を元に、騙し絵や偽物がどのように作られ、そしてなぜそれらが存在するのかを深く掘り下げています。

内容

本書は全16章から構成されており、それぞれが異なるテーマについて解説されています。第1章では、騙し絵の由来や歴史的な背景について説明され、第2章では代表的な騙し絵の種類について紹介されています。また、美術品鑑定士の役割や正しい鑑定方法についても触れられています。

第3章以降では、実際に起こった偽造事件について解説されています。有名なものとしては、オランダの芸術家フェルメールの偽作事件や、ローマ教皇によって切り取られたラファエロの「アテナイの学堂」の話が挙げられます。このような事件がなぜ起こるのか、そしてどのように偽物が製作されるのかを詳しく解説しています。

本書は、物語形式で書かれているので、非常にわかりやすく読みやすいことが特徴です。また、豊富な図版を用いて、偽造物や騙し絵の実物を紹介し、読者がよりリアルにイメージできるように工夫されています。鑑定家など、美術に関心がある人にとっては必読の書と言えます。

評価

本書は、美術に関心がある人にとって非常に興味深い内容となっていると思います。特に、偽造事件についての解説は非常に詳しく、鑑定家を目指している人にとっては非常に貴重な情報が得られるでしょう。また、見やすいレイアウトと豊富な図版により、読み手にとって非常に分かりやすい印象を受けました。

ただし、美術に関心がない人にとっては、やや専門的すぎる内容となっているかもしれません。また、物語形式で書かれているため、感情移入することが難しいという欠点もあります。しかし、美術に関心がある人には必読の書であることは間違いありません。

まとめ

「騙し絵と偽物の美術史」は、美術に関する偽造事件や騙し絵について詳しく解説した書籍です。豊富な図版と物語形式で書かれたわかりやすい構成が特徴であり、美術に関心がある人には非常に興味深い内容と言えます。一方で、美術に興味がない人にとってはやや専門的すぎる可能性があります。


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