書籍レビュー:『祈りのムスリム』

あらすじ

イスラム教徒の少年アミルは、イラン革命の混乱期に生まれた。彼は父の影響で、真理を求める若者のグループに加わります。しかし、政府によるグループ弾圧の中、アミルは荒れた人生を送るようになります。彼は麻薬やアルコールに溺れる一方、愛する女性との関係も壊れてしまいます。やがて、彼は妻子を残して亡くなります。

感想

ストーリーは非常に重いですが、著者は緻密に情景描写を行っているため、非常にリアルに描かれています。イラン革命時代の暴力的な事件や政府の弾圧など、歴史的な事象も詳しく描かれています。また、アミルの内面や変化も描き出され、人間ドラマとしても魅力的です。

筆者も実際にイランに住んでいたことがあり、文化的な洞察力を持ち、イスラム教徒の生活や信仰について、深く考察している点も魅力的です。特に、アミルがムスリムとしての信仰と向き合うシーンは心に響くものがありました。

総評

『祈りのムスリム』は、イラン革命時代の若者の荒んだ人生や信仰、愛などを描いた感動的な物語です。特に、登場人物たちの内面を深く描き出す筆者の筆致が魅力的で、イギリス留学中に執筆したということもあり、深い異文化理解から生まれた作品であることが感じられました。イスラム教に詳しくない読者にとっても、興味深く読める作品だと思います。

Source: ‘The Prayer of the Muslim’ by Mahmoud Dowlatabadi. (Jaico Publishing House, 2012).


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