概要
『1Q84』は村上春樹氏が2011年に刊行した小説で、日本国内だけでも100万部以上の売り上げを記録したベストセラーとなっている。物語は、1984年の東京を舞台に、2つの世界が交差していく奇妙な物語である。
内容
主人公は、スキャンダルを起こして出版社を辞めた青豆(あおまめ)である。ある日、彼女はタクシーで出版社の同僚だったトゥルース(T)に再会する。彼女から、どこかおかしい1984年に生きる彼らの世界には“1Q84”というもう一つの世界があること、そして「彼女の喉に描かれた「月」が消えたら、世界は終わる」という予言を聞く。
物語は、青豆とトゥルース、そして仲間たちの活躍を描きつつ、“1Q84”と現実世界の両方に繰り広げられる不思議な出来事に迫っていく。繊細な描写と、緻密な設定が織り成す世界観は村上春樹ならではのものであり、ファンからは高い評価が与えられている。
感想
本書は、村上春樹作品の中でも特に奇妙で不思議な世界観が魅力的であると感じた。細かい設定や、その設定を支えるキャラクターたちの人間臭さが印象的だった。加えて、邦訳された英語のタイトルである1Q84が、“1984”と、オーウェルの小説と関連づけて解釈することができることも魅力的だ。
ただ、1600ページ以上というボリュームがあり、やや疲れを感じることもあった。また、ストーリーの展開自体はあまりサスペンス感がなく、読む度にドキドキ感を求めている人には少し物足りないかもしれない。
総評
『1Q84』は、一つの出来事に対して、現実と異なる世界が存在することについて描くことで、生き方や人生について考えさせられる作品である。村上春樹作品を好む人はもちろん、SFやファンタジー的な要素を楽しむ人にもおすすめできる。ただし、1600ページというボリュームを払拭し、じっくりと読み進めることが求められる作品である。
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