あらすじ
生まれつき“鄙”と呼ばれる不幸な病気に冒された少女・かがみは、自らの意志で孤城の頂に住む魔法使い・賀門に弟子入りすることを決意する。賀門の教えを受け、かがみは不死身の肉体を手に入れた。ところが、そこに現れた新米騎士クレロは、賀門と知り合いであるかがみに警戒を抱くようになってしまう。
感想
『かがみの孤城』は、魔法や騎士など、ファンタジー系の要素を持ちつつも、主人公であるかがみの孤独や運命に向き合う姿勢が描かれた作品である。特に、病気に苦しむ少女が自らの意志で挑戦する姿勢には、感銘を受けるものがある。
また、登場人物たちはそれぞれ個性的で、読者を引き込んでくれる。賀門の謎めいた雰囲気や、クレロの警戒心が、物語に緊張感を与えている。また、優秀な騎士であるアディンや、彼女を慕う女性騎士シェリーなど、脇役たちの掘り下げもなされている。
残念ながら、作中の描写には深みが欠け、物語がもう少し掘り下げられることで、さらに魅力的になれたと感じることがあった。しかし、それでも、読み終えた後に爽快感を覚えるオーソドックスなストーリー展開は、ファンタジー好きならば楽しめることだろう。
まとめ
『かがみの孤城』は、主人公の孤独と運命に向き合う姿勢が感動的な作品である。また、登場人物たちの個性的なキャラクターや、短いながらも爽快なストーリー展開が読者を引き込んでくれる。作中の描写に深みが欠ける点もあるが、ファンタジー系のファンなら楽しめる作品だと思う。
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