ストーリー
本作は、主人公の僕と「膵臓」を患う少女・山内桜良の出会いから始まる青春小説です。桜良は母親と二人暮らしをしており、1年前に膵臓癌と診断され、余命は1年と宣告されています。そんな中、見つけた「共病文庫」という古本屋で、偶然、自分の日記帳を拾った僕と出会い、物語は展開していきます。
感想
本作は、桜良が死期が迫っていることを知りつつも、ふたりで過ごす約束を続け、最後まで支えあいながら、納得いく形で別れるまでを描いた、きれいな青春小説です。ストーリーはシンプルでわかりやすいものの、登場人物の心情や葛藤が細かく描かれており、読み終わった後も一時期心に残る作品です。
特に、桜良が日記帳を書き続ける理由や、その中身が徐々に明かされていく過程は、読者の感情を揺さぶらせます。また、悲しい出来事が起こっても、それを押しつぶされることなく、前に進む桜良の強さには感動します。
おすすめポイント
本作のおすすめポイントは、やはり「人と人とのつながり」がテーマになっていることです。桜良と僕が出会ったことで、それまで孤独だったふたりの人生に変化が起こります。特に、桜良が他人とつながることに不器用なため、自分に合ったやり方で人と関わっている描写には共感を覚えました。
また、フレーズが美しいという点もおすすめです。桜良の日記帳や、その中での思考回路が丁寧に描かれており、一言一言が印象的です。
まとめ
本作は、青春小説としてだけでなく、人と人とのつながりを考えたり、命の尊さを感じることができる作品です。本を読み終えた後には、読者の心に感動と勇気が残ります。ぜひ、読者の方は手にとって読んでみてください。
(レビュー終わり)
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