書籍レビュー:「三体」

概要

「三体」は、中国の作家・劉慈欣氏によるSF小説である。太陽系と三体星系との接触を描いた、大規模なスケールの物語であり、最初に発表された本作品は、中国で大きな話題を呼んでいた。本書の特徴として、科学的な描写が挙げられる。劉氏は、数学者・物理学者であり、本書には、現在の科学技術に基づく描写が多数含まれている。

ストーリー

1967年、文化大革命が起こっている中国。父親は殺され、自身も迫害を受けている物理学者・章北海は、三体星系に関する情報をタイムカプセルとして、未来の科学者たちに残すことを考えた。そして、彼が亡くなった40年後、そのカプセルが開かれることになる。

2046年、中国国家科学技術委員会(SETI)の公式メンバーである中国科学アカデミー(CAS)の天文学者、鄧緯は、中古のオンラインゲーム「三体」において、三体星人と接触する。同時に「三体」の中にあるもうひとつの世界で、彼女は三体星系への移住を計画する人々と接触する。いつ、どのようにして人類に接触するのか?そして、人類をどのように破壊するつもりなのか?三体星系と接触した人々に、この星系の危険性が語られる。

感想

本書は、非常にスケールの大きなSF小説であり、ここまで人類の存亡がかかったような作品は、そう多くは無い。劉氏は、数学者・物理学者ならではの緻密な科学的描写を交えつつ、人類が太古から真実と向き合おうとする失敗の過程を描いている。人間が理解できないほどはるか遠くの存在との接触によって、人間が持っているエゴと絶望的な存在不安に対して、問いを投げかける作品である。

まとめ

「三体」は、世界的に有名なSF小説の一つであり、SFファンならずとも、一度は手に取ってほしい一冊である。豊富な科学的描写により、非常にリアルな世界観を描いている。未来の人類が直面する危機に対して、現代に生きる私たちはどのように考えるべきか。ぜひ、本書を通じて考えてみてほしい。


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