ストーリー
主人公のピアニスト、佐藤真一が、音楽界での成功を目指して日々努力する物語。彼は森羅万象を知り尽くした数学者、数学教師の先輩・光村を通じて、鋼琴製造職人の田所に出会い、彼の指導を受けることになる。ピアノの調律、製造について学ぶ中で、真一は音楽を奏でることの美しさ、そして知識や技術が音楽にどのように関わってくるかを深く学び、成長していく。
感想
本作は、「音楽と数学と鋼と」という、普段私たちが縁遠いであろう要素を組み合わせた作品だ。それだけに、読んでいても驚くばかり。音楽を奏でるということが、どのようなひとつひとつの工夫が詰まった、膨大な知識と技術、そして、調律師や鋼琴職人が関わっている現実を知り、納得した。また、主人公である真一が自分の才能を磨くためだけでなく、周りの人々と関わって成長していくというところも感銘を受けた。物語は心温まるエピソードが多く、涙が出る場面もあった。読者自身も、本作品を読んでから音楽に対する理解が深まったと思う。
まとめ
『羊と鋼の森』は、音楽に関する知識や技術に詳しくなくても、楽しむことができる作品だ。読んでいる間に「新しいことを知る」という面白さを味わえ、音楽に対する理解がより深まるとともに、心が温かくなる作品だと思う。最後に、ぜひ一度読んでみて欲しい。
(書籍詳細)
『羊と鋼の森』
著者:宮下奈都
出版社:KADOKAWA
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