書籍レビュー：『風が強く吹いている』

概要

『風が強く吹いている』は、荻上直子氏による小説である。北海道を舞台に、ラグビー部の友情と成長を描いた青春小説である。2015年に映画化され、話題を呼んだ。

主人公の高校生・大沢が入学した北海道の高校には、日本を代表するスポーツであるラグビー部があった。大沢は、同じようにラグビーを始めた4人のチームメイト・清水、大地、久保田、安田と出会い、彼らとチームを組むことになる。彼らは、監督から厳しい指導を受けながら、ラグビーを通じて友情や人間性を育んでいく。

ある日、久保田が病に倒れ、チームに穴が空いてしまうが、それでも残されたメンバーたちは、名門校との試合に向けて奮闘する。試合当日、彼らは自分たちなりのラグビーを見せ、大接戦の末に敗れるが、その経験を通じて、より一層友情が深まっていく。

本作は、ラグビーを通じた青春の成長物語であり、登場人物たちのみずみずしい青春の姿が印象的であった。そして、友情という大切なテーマを、ストーリーの中に巧みに散りばめている点が素晴らしかった。また、荻上氏の描写によって、北海道の美しい自然や、ラグビーの熱い試合がリアルに描かれているのも魅力的である。

ただ、キャラクター同士の関係性の描写については、もう少し掘り下げて描けばよかったのではないかと感じた。また、場面転換が急すぎる部分もあり、一部のシーンで物足りなさを感じたが、全体的には読みやすく、心温まる作品であると思う。

『風が強く吹いている』は、ラグビーを題材にした青春小説であり、友情や成長を描いた作品である。登場人物たちの距離感や、自然描写、試合の熱さが魅力的であることに加え、心温まるストーリーも良かった。是非、読んでみて欲しい。