概要
『君たちはどう生きるか』は、作家の吉野源三郎による自伝的小説である。1927年に出版され、平和思想を含んだ哲学的な内容が話題となり、30年代には日本の若者たちを中心に読まれるビッグヒットとなった。
ストーリー
物語は、主人公の船越不二子が、父親の死をきっかけに哲学を学び、自分自身の生き方を見つめ直すところから始まる。不二子は、哲学者である初老の紳士・長谷川教授から様々な「問い」を提示され、それに自分なりの答えを求めていく。同時に、彼女は結婚を前提に考えていた男性との関係にも悩む。
感想
この小説は、哲学と日常生活という二つの領域が混在している点が魅力的だ。長谷川教授が生徒たちに「人生を自分でデザインすることができる」「仮説を立て、それに対して自分自身が抱くものを深く考えることができる人になることが大切だ」と語る。そこから、不二子は出版社に勤務しつつ、そうした思考を行うことで自分自身を見つめ直し、自己実現に向けて歩み始める。
ただ、死をテーマとした哲学的な部分は、自分にとっては理解しがたい部分もあった。また、古い文体と長く複雑な文章が苦手な人には難しいかもしれない。しかし、哲学を学び、人生を考えることに興味がある人には、ぜひ読んでほしい一冊である。
評価
★★★★☆
おすすめ度
5/5
参考文献:吉野源三郎「君たちはどう生きるか」
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