『流浪の月』レビュー

ストーリー概要

本作は、高校時代に心を通わせた仲間たちが、10年ぶりに再会して過去と向き合い、そして未来を切り拓いていく物語である。主人公の慎一は、高校時代のバドミントン部の仲間だった5人の男女が、それぞれの人生を歩んでいる中、たまたま再会することになる。互いに変わってしまった姿を受け入れつつ、彼らは新たな出発を決める。

登場人物

・慎一：主人公。大手企業でサラリーマンをしているが、人生に漠然とした不満を感じている。

・沙希：慎一と初恋をした相手。美容師をしているが、恋愛に深い傷を負っている。

・香織：慎一と沙希に挟まれた三角関係の元ヒロイン。看護師として働いている。

・鉄平：バドミントン部のキャプテンだった男。仕事もプライベートも全力でやるタイプ。

・マリ：バドミントン部で慎一とコンビを組んでいた女。現在はフリーター。

読んだ感想

本作は、それぞれの登場人物に丁寧にスポットを当てている点が魅力的である。彼らが10年でどのように変わり、どのような苦悩を抱えているのかが、リアルかつ細やかに描かれている。また、再会後、彼らが互いの背中を押し合って、それぞれの人生で抱えていた問題を乗り越えようとする姿が感動的であった。優れた群像劇として、多くの読者の共感を得た作品と言えるだろう。