はじめに
本書は、作家・リリー・フランキーによるエッセイ。タイトル通り、「東京タワー」というシンボル的存在のそばで、母親であるオカンとの日々を綴った作品。本書は、発売される前から話題を呼び、映画化もされた。筆者は、映画を観賞する前に、まずは原作である本書を手に取り、読んでみたくなった。
ストーリー
本書は、基本的にリリー・フランキーと、彼の母親であるオカンの生活を描いたものだが、彼ら双方の心理を深く掘り下げた作品でもある。『東京タワー』には、リリー・フランキーとオカンの日常のほかにも、オカンにまつわるエピソードや、リリー自身の内面についての描写もあった。
彼女といつも一緒にいた夫、オトンが亡くなってから、しばらくして、オカンがリリーを引き取ることに。大人になってかつての自分と母親との間の壁を越えたいと願っているリリーだったが、彼女が持つ多くの秘密や深い心情が、リリーに対してどんな影響を与えるのか? 本書は、そんな彼ら二人の物語が丁寧に描かれている。
感想
本書は、リリー・フランキーの鋭い観察力と感性によって、見事に書き上げられていると感じた。彼女と母親との、裏表のない関係性によって、私たちは多くのことを学ぶことができる。また、彼女自身の言葉で語られる、過去の自分との闘いや、自分自身と向き合うことによる解放感について、感動を覚えることもある。
全体的には、感情移入しながら、読んでいくことができる作品だと思う。また、リリー・フランキー独特の描写で、読み手の心に強いインパクトを与えると同時に、細かいところまで描き続けた作りになっているため、物語から目を離すことができず、一気に読み進めてしまった。
まとめ
『東京タワー』は、リリー・フランキーファンや、母親との関係性を描いた作品が好きな人におすすめの一冊。映画化されたため、原作を読んでから映画館に足を運ぶのも、一つの醍醐味だろう。彼女と母親との強い絆と、それが距離を縮めるものになっていく様に、心が温かくなること間違いなしである。
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