『1Q84 BOOK 1, 2, 3』

概要

村上春樹氏が2011年に発表した3部作からなる小説『1Q84』の第1巻から第3巻までを収録したオムニバス版。

ストーリー

物語の舞台は1984年。主人公の一人である久保田（つぼた）まどかは、編集者をしているが、ある日突然、タクシーに乗ると異世界「1Q84（いちきゅうはちよん）」に迷い込む。同じ頃、元体育教師の桐原（きりはら）麻実子は、新しい仕事先である少年院に向かう途中、何かが起きたことにより、1Q84と繋がってしまう。

1Q84では、日本語の「Q」と英語の「9」が重なったマークが現れ、世界が揺らぎ始める。そして、運命的な出会い、家族の再生、そして闇の勢力との恐ろしい戦いが始まる。

感想

村上春樹氏が見事に織り成す世界観は何度読んでも感動を覚えます。1Q84という異世界が存在するという発想自体が驚くべきことですが、その中でも登場人物たちはとてもリアルであり、読者はそれぞれの人生を感じることができます。

収録された3冊のうち、特に第1冊が印象深く、まどかが1Q84に迷い込んだシーンは、心に残る場面です。一方で、第3冊は戦いのシーンが目白押しであり、緊張感があふれています。こうした構成や描写は、村上春樹氏ならではのものであると思います。

一方で、全体的にページ数が多く、ストーリーの進行も比較的ゆっくりとした感じがあります。加えて、村上春樹氏特有のモノローグが多く出てくるため、読むこと自体は時間がかかってしまう面があります。

まとめ

『1Q84 BOOK 1, 2, 3』は、村上春樹氏の鮮やかな筆力で描かれた小説であり、独特な世界観やキャラクターたちが魅力的です。様々な人生や出来事が繋がり、1Q84の謎が解き明かされるまで、読者は熱心に議論しながら作品を楽しむことができるでしょう。