ストーリー
本書は、1000年以上もの時を超えて伝わる和紙折りの技術「折り紙」と、その技術を通じて人々が繋がっていく物語を描いた小説です。
主人公の紙屋の娘・眞里は、ある日誰かに教わって習得した折り紙の技術に自信を持てなくなっていました。そんなある日、彼女のもとに1つの不思議な折り紙が届きます。それは、何度折っても元に戻らない不思議な形をした「千年のオリガミ」でした。眞里はそのオリガミに魅了され、その製作秘話を知るために、過去へとタイムスリップします。
そこで彼女は、千年以上も前に宮中で役者として働く若き和紙職人・弘を出会い、彼と共に千年のオリガミを製作する冒険を繰り広げることになります。
感想
本書は、和紙を通じて時代を超えた繋がりを描いた物語で、読者の心を温かくしてくれる作品であると思います。また、細やかな描写や緻密な設定がなされ、時代背景や登場人物の心情、折り紙技術の詳しい解説などが丁寧に描かれていることから、読者は本当に時代を超えた冒険の中にいるような感覚を味わうことができます。
ストーリー自体も、未来からのタイムスリップを通して、1000年以上前の和紙文化に触れ、そこで生まれた技術を通じて将来を切り開くという、とてもロマンチックなものでした。また、登場人物たちの繊細な心情や、和紙職人達が折り紙を通じて作り上げた美しい作品に対する愛情など、深みのある人物描写も魅力的でした。
まとめ
『千年のオリガミ』は、和紙から始まり、時代を超えた感動的な物語を描いた、オリジナル性のある小説です。主人公の眞里が、和紙職人達の生き霊に導かれ、時代を超えて繋がって行く物語は、本当に心温まるものでした。和紙や折り紙に興味がある方だけでなく、誰にでもオススメできる小説です。
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