書籍名:「夜と霧」

概要

「夜と霧」は、エルンスト・ユンガーが第二次世界大戦中に書いた戦争体験を描いた回想録である。本書は、ユンガーがナチス・ドイツの陸軍将校として、1940年から1945年までフランスや北アフリカ、そしてドイツ本国での戦闘を体験した様子を描いている。

内容

本書の冒頭から、断片的な記憶や夢の中での回想が描かれている。そして、その後は戦争中の体験や、戦争が終わるまでの様子が淡々と記述される。ユンガーは、戦争中に何度も負傷し、苦痛に耐えながらも戦友たちと共に戦い続けた。また、彼は戦闘の中で自然との触れ合いや、芸術や文学に対する思いを抱いていたことが描かれている。

評価

「夜と霧」は、戦争における個人の苦悩や痛み、そして自然や文化に対する思いを描いた作品である。ユンガーの語り口は淡々としているが、その中にも情緒や感情が込められている。また、同時代に書かれた他の戦争文学と比べると、極端な美化や英雄化、また反戦的なメッセージもなく、非常に中立的な視点で描かれている。

ただし、本書はあくまでもユンガー個人の体験を描いたものであり、他の戦争体験とは異なることが指摘されている。また、一部で反戦主義者から批判されたこともある。しかし、戦争をユンガーの視点から見ることで、戦争そのものが人々に与える影響や、個人の苦悩や感情が浮き上がってくる。

おすすめの読者

戦争文学やユンガー作品に興味がある方、戦争における個人の苦悩や痛みを知りたい方におすすめである。また、美化された戦争観に対する批評も込められているため、戦争に対して中立的な視点を得たいという方にもおすすめである。


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