背景
『レッドクイーン』は、現在人類に生まれついた特殊な力を持つ「シーストーズ」という一族と普通の人間との間で戦闘が繰り広げられるファンタジー小説である。
内容
主人公のマーレは、貧しい家庭に生まれ、身分を上げるために戦うことを強いられる。しかし、彼女に偶然発力された力を見た王族の一人から縁談が持ちかけられ、王妃の目の前でシーストーズの力の証明をすることになる。以降、王室の陰謀や戦いに巻き込まれていく。帯にも謳われているが、王族同士の陰謀、強い力を持つ者たちの選民主義、そして不条理な世界が描かれている。全シリーズの内容としては、人々が望まない運命に身を置くことの重み、保存のための真実、そして人間関係が描かれており、細かい部分までしっかり描かれている。
感想
アメリカの若手作家のひとり、ビクトリア・アベイヤードが描いた本書は、王道のファンタジーという印象を受けた。だが、どこか歯切れの悪さも感じられ、そこがまた魅力的である。特に、マーレの心情描写がとても優れていたと思う。また、世界観の摩訶不思議な点も大きく惹かれた。『レッドクイーン』は、第1部で完結しているが、続編も出ているので、次回作も期待したい。ただ、英語原文で読んだ方がよりストーリーを楽しめるので、多少読解力が必要かもしれない。
評価
『レッドクイーン』は、ファンタジー小説の中でも面白い作品だと思う。ただ、一部では、ややテンポが悪い箇所もある。加えて、初心者向けとは言えず、中級者向けかもしれない。全体的には、7点と評価したい。
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