書籍レビュー：「バチカン」

概要

「バチカン」は、作家の森下裕美が執筆した小説です。舞台はバチカン市国の司教庁（バチカン内務省）であり、物語はローマ教皇が急死した後に開かれた新教皇選挙において起こる、様々な陰謀からなります。

ストーリー

物語は、新教皇が選出される前夜に起こる殺人事件から始まります。司教庁に勤務する主人公である若き司教候補者・竹内は、事件に巻き込まれ偶然とは思えない“協定”によって口封じされ、そのまま教皇選挙に参加することになります。しかし、竹内が疑心暗鬼に陥る中、教皇選挙には数々の裏工作が渦巻いており、中枢部の重役たちは自らの野望を果たすために、巧妙な策略で候補者たちを操ることを試みます。

感想

森下裕美の筆が織り成すバチカンの陰謀や騙し合いの世界は、とても迫力があります。物語は細部に渡って緻密に描かれ、読者を引き込んで離しません。教皇選挙の舞台裏で繰り広げられる陰謀や策略は非常に興味深く、次の展開が気になって仕方ありません。登場する候補者たちも、それぞれに選出されるための思惑があるため、誰が教皇に選ばれるのかを推理しながら読むのが楽しいです。また、主人公の竹内には苦悩と追い詰められた状況が描かれており、彼の心情を共感することができます。

全体的に、バチカンの壮大な舞台と陰謀というテーマがとても魅力的で、物語の展開も巧みであり、非常に面白かったです。ただし、読み終わった後に「もう一度読んでみたい！」という感覚はあまりありませんでした。敵の陰謀を知った上で、正義が勝利するというストーリーであるため、再読価値はいまいちありません。

結論

「バチカン」は、バチカン市国の司教庁で繰り広げられる教皇選挙の陰謀と策略が非常に興味深く描かれた作品です。物語の展開が巧みであり、誰が教皇に選ばれるのかを推理しながら読むのが楽しい作品です。ただし、再読する価値はあまりありません。全体的には、おすすめの小説です。